いまさら名前を付けられても

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どこの誰だか忘れてしまったけども、

「最近はちょっとしたことを何でもかんでも病気にしたがる。」

なんてことを言っていた人がいた。確かに”病気”と名の付くものはすごく増えたように思う。ADHD、うつ病なんていうどこかしら聞いたことのあるような病気はもちろん、全く聞いたことのないような、症状も想像できないような名前の病気もあるらしい。

「病気だと言われることでその人の心が落ち着くことがある。」

なんてことを言っていた人もいたような気がする。確かに、以前テレビで見たのだが、なんだかよくわからない症状に襲われた人が病院を数軒回ってみても原因がはっきりせず、ようやくたどり着いた病院で「○○病です」と言われて『自分は病気だったんだ』と理解できた、みたいなことをやっていた。もしかすると、自分は病気である、ということを自覚するために最近は病気が増えているのかもしれない。

 

 

 

これといって何かがあったわけではないが、僕はなんだか最近とても不安に駆られることが多い。このままの生活をしていて大丈夫なんだろうか。周りの同級生たちに大きく遅れているのではないだろうか。現状20代半ばでニートと言われてもまぁ仕方がないかなという生活を送っているので余計にそう思う。

もしかしたらこの不安にも名前がついていたりするのではないか。そう思って調べてみたら、どうやら20代後半に差し掛かるころに訪れる不安のことを『クオーターライフ・クライシス』というらしい。やっぱり名前が付いていた。直訳すれば「1/4危機」だが、人生の1/4を過ぎたころにやってくる不安感、というような意訳になるだろう。どうやら人間だれしも25歳ごろに人生先行きなどが不安に感じるらしく、ついつい周りと比較して自分の人生がまともかどうかを確認したがってしまうそうだ。自分の人生と周りの人生を比較しないことが対策らしい。大人版の思春期みたいなものだと僕は理解した。

これは病気ではないものの、では皆が同じように不安に感じていることを理解した結果僕の不安が消えたかと言われれば、全くそんなことはない。名前が付いたところで結局何一つすっきりなんてしなかったし、誰かと一緒だなんて本当にどうでもいいし、もうちょっといい感じの名前はなかったのかなぁなんてことすら考えてしまった。

極端な話だが、仮に今の僕が年収1000万円で趣味も充実して素敵な彼女でもいたら十中八九こんな不安には駆られないだろう。逆に言えばそれを目指せばいいだけである。一発逆転を目指してバーチャルユーチューバーにでもなるか。ケモミミキャラで語尾に「のじゃ」をつければ行けるだろう。

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