この前トイレで大きいほうをしながらふと思ったことがある。
「今この瞬間から年収1000万円になったら、生涯賃金って4億円なんだな」
僕は現在23歳なんだけど、めんどくさいから40年間働いてずっと年収が1000万円として計算した結果が生涯賃金4億円だった。この結果に僕はとても驚いた。なぜなら、小学生だったか中学生だったか、それぐらいのころに「大卒の生涯賃金は3億5000万円位だ」という話を聞いたことがあったからだ。
実際いくらなのか
大卒の平均初任給が22万円ぐらいだから、仮に12か月+ボーナス(夏冬合わせ4か月)とすると年収は352万円。初年度からフルでボーナスもらえることは珍しいので300万円ぐらいとしても、年収1000万円が延々と続く人に比べて生涯賃金の差が5000万円しかないのはおかしい。もっとずっと差が開いてもいいはずだ。ってか初年度で300万円とか行かないのでこの前提自体も無理があるけど…。
国税庁 民間給与実態統計調査を見る
というわけで国税庁の民間給与実態統計調査を見てみた。平成27年度の結果を見ると、1年間働いた人の平均給与額は420万円だ。なんか少ない。
ちなみに給与とは、
各年における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。
なお、役員の賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれている。参照:国税庁 民間給与実態調査
なので、ここにボーナスは含まれているが実際の手取りで考えるともっと少ない。
この420万円という数字にはありとあらゆる人が含まれるので、中卒で働いている人やパートのおばさんからバリバリの役員まであってかなり大雑把な数字だということがわかる。じゃあとりあえず平均給与額420万円で大学卒業の23歳から定年の65歳まで42年間働いてみよう。すると生涯賃金は
420万円×42年間=1億7640万円
嘘だろ、びっくりするぐらい少ない。せめてもう少し希望が欲しい。とりあえず男性の平均給与額が521万円なのでそっちで計算してみると、
521万円×42年間=2億1882万円
って、これでも十分少ないな。ちなみに女性の平均給与額が276万円と男性に比べて極端に低いのは、主婦のパートやアルバイトが扶養内に収まるように100万円ちょっとの稼ぎに調整してあるためだと思われる。
もう少しだけ希望が欲しい…
せめて平均給与でももう少しの希望が欲しいので、年代別で計算し直すことにする。そうすればアンダー20とオーバー65の無駄な部分を省けるからだ!
というわけでこのソースを使う。少しでも将来に希望が持てるように男性の平均給与を使おう。65歳になった瞬間に退職するので64歳までのデータで十分だ。
給与額 | 年数 | 小計 | |
23~24 | 271 | 2 | 542 |
20代後半 | 383 | 5 | 1915 |
30代前半 | 451 | 5 | 2255 |
30代後半 | 510 | 5 | 2550 |
40代前半 | 567 | 5 | 2835 |
40代後半 | 626 | 5 | 3130 |
50代前半 | 670 | 5 | 3350 |
50代後半 | 652 | 5 | 3260 |
60代前半 | 479 | 5 | 2395 |
合計 | – | 42 | 22232 |
というわけで生涯賃金は2億2232万円になった。ちなみに平均給与額は529.3万円だ。
これなら確かに、近年たまに聞く「サラリーマンの生涯賃金2.5億円」の数字に近い。10年ぐらい前、ちょうど僕が小学生や中学生だったころには3.5億って言われてた気がするけど…。
3.5億稼ぐにはどういう勢いで昇給すればいいのか
毎年必ず一定の割合で昇給するとき
現実はわかった。僕は夢が見たい。僕が小学生の時に聞いた、生涯賃金3.5億円を達成するためにはどれだけの割合で昇給していけばいいのか。というわけで条件を設定した。
- 大卒で23歳から65歳までの42年間を働く
- 初任給は22万円(月収)
- 毎年ボーナスは必ず夏冬合わせて4か月分
- 昇給率は毎年一定
- 減給されることはない
実際の給与では50代前半をピークに下がっていくのでちょっと現実離れした設定だが、計算しやすいのでこれでやっていこう。Excelに条件を打ち込んでいって導き出された答えとは…?
結果、昇給率3.8%であれば64歳にして3億5102万円を手にすることができることが分かった!若いうちは毎年月収が1万円以上上がっていかないといけない。
50代でピークを迎える時
もう一回この図を見てみると、給与は50代前半でピークを迎え、50代後半は前半とほぼ同等、60代前半になると30代前半と同等の給与になることがわかる。というわけで、これに当てはめて給与を計算し生涯賃金3.5億円を目指す。条件は
- 大卒で23歳から65歳までの42年間を働く
- 初任給は22万円(月収)
- 毎年ボーナスは必ず夏冬合わせて4か月分
- 昇給率は54歳まで毎年一定
- 55歳~59歳までの給与は、54歳~50歳までの給与と同額
- 60歳~64歳までの給与は、34歳~30歳までの給与と同額
で設定する。
するとこうなる。昇給率は4.8%の時、生涯賃金は3億5101万円。54歳での年収はピークに達し1506万円、46歳で年収1000万円を超える計算だ。60歳に到達した瞬間に収入が半分になるのが恐ろしい。実際にこれだけの給料をもらえるなら、これだけ急な減給は行われないだろうから生涯賃金はもう少し伸びるはず。
僕らに希望は無い
国税庁のデータをさかのぼって計算すれば生涯賃金の推移をみることもできるが、めんどくさいからほかのページで紹介されている結果を見てみる。
年収ガイドが紹介している、ユースフル労働統計-労働統計加工指標集-2015のデータによると、2000年から2013年までの13年間でどの学歴の人であっても生涯賃金が2000万円以上下落している。大卒でいえば2500万円下がっているのだから、42年間働いたら平均で月収が5万円ほど下がっていることになる。大卒初任給で見れば2000年から2012年までの間で数千円しか上がっていないため、僕らのような若い世代の人間は昇給率がすさまじい勢いで下がっていることが計算せずとも簡単にわかる。もはやまともに働くことに夢も希望もない。若者の○○離れなんてよく言われるが、明らかにお金が若者から離れてしまっていることがよくわかった。このまま行けば大卒の生涯賃金が2億円を切る時代だってやってくるだろう。というか僕らの世代はまさにそうなる可能性が高い。これからどうしていけばいいのかを考えなければ…。
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